【協会】なぜ、ユースホステルが『旅』と『若者』にこだわって活動しているのか?



なぜ、ユースホステルが『旅』と『若者』にこだわって活動しているのか?




ユースホステルの活動理念

ルソーは著書「エミール」の中で次の事を語っています。「人間として正しい生き方を知るためには、まず自然と人間の関係を理解しなければならない」「本来人が獲得しないといけない大切な経験(直接的な体験活動)を行うべきである」。

ユースホステル運動は、1900年前後のドイツにおいて盛んであったワンダーウォーゲル運動がその源であり、この運動に大きな影響を与えた一人がルソーでした。そして、彼の影響を受けた人物の一人が当時小学校教師であったユースホステル運動の祖であるリヒャルト・シルマンです。
彼は、生活を共にする「移動教室」という手法を用いて教えていた子どもたちを徒歩旅行へと連れ出し、野外での直接的体験から、自然と人、人とひととの関係を学ぶ機会を提供しました。



「旅」は冒険心や創造力・コミュニケーション能力を育み、「人」として必要な基礎力を身につける絶好の機会であり、その中でひとや自然・文化など他者との出会いによって、世界観を広げ、新しい価値観を身につけられると考えています。
昔から言われる「かわいい子には旅をさせよ」の言葉通り、本来は「旅=学び」があり、プログラム化できないプログラムとして、様々な旅の経験が若者の成長に寄与することは誰もが認めるところではあると思います。
ただし現在、若者の内向き志向が顕著に現れ、実際に留学含め海外に渡航に出る若者が減っている現状があります。
インターネットの普及により現地へ行かずとも旅行先の情報が膨大に手に入り動画、写真で確認でき、旅に出た気になってしまうという事もあるのかもしれません。また「旅=レジャー」とだけ捉え、金銭的余裕がないという理由はもちろん、就職に有利と思われる資格やスキルに時間とお金をかける傾向があり、旅離れに拍車をかけていると思われます。



家や学校ではない「非日常」の中だからこそ出会えた人やその中で起こる交流、会話を含め身体表現できること、それらバーチャルではなく実体験の機会こそ、若者の学びにとっての大切な場であり、人種や宗教、国籍、多様な価値観について理解を深め違いを共有し、尊重する心を育むことが出来る機会こそが若者の成長につながると考えます。



「ユースホステル」は、世界80カ国4000か所の宿泊機能を持つ旅のネットワーク組織であり、そんな「旅」という非日常の中で、若者がチャレンジでき考え自立するためのステップとしての場や機会の提供を図っています。それは地球規模の広い視野で地域や社会と関われる人材育成に寄与しています。

皆様がユースホステルを利用し会員となりその収益が、子ども達や若者の体験活動や国際理解事業など、多様な人々が出会う簿や機会の提供、それらを生み出すユースホステルの維持に使われています。
引き続きのご支援ご協力をお待ちしています。



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