【協会】旅のあれこれ『中華四千年の秘薬』



■ 旅、時々ユースホステル~旅やユースホステルに関するエッセイ~

旅のあれこれ 『中華四千年の秘薬』

京都で暮らしていると、アジア系の外国人が薬局で物凄い量の買い物をしているのを見かけます。
日本の化粧品は質が高いので人気らしく、それを免税額ギリギリまで買っていくという事です。

旅先で薬局というと、ケガや病気以外でお世話になることはなさそうですが、
そんな使い方もあるのかと感心しますね。

僕も一度だけ、海外の薬局でお土産を買ったことがあるのですが、今回はそのお話。

去年の台湾ぶらり一人旅の前日、うちの父親に呼び止められました。
「そういえば、台湾行くならこれ買ってきてくれ」



なんですかこれ。
僕が税関やったらとりあえず没収しとくぞ。

話を聞くと、父が仕事で台湾に行った際に腰痛で困っていたら、現地ガイドが買ってきたものらしいです。
バンテリン的な塗り薬で、かなりよく効くとのこと。
ガイド曰く、最近あまり置かなくなっているから結構探さないと見つからない珍しい薬らしい。

「名前読めねえし箱持って行っていいから、ヨロシク」



現地ガイドがあんまり見かけないもの買って来いってのがまあまあな無茶ぶりですが、
とりあえず空き箱を受け取り、台湾へ向かいました。

旅行中はそんなことをすっかり忘れて遊び歩いていたのですが、
最終日に荷物を詰め直している時に箱が出てきて思い出しました。

ちょうど最終日すこし時間をもてあましていたので、
まあ親孝行に探してやるか、と宿の周辺で探してみることにしました。

とりあえず一番近い所からしらみつぶしにあたっていくこと。

まず一件目。
箱を見せながら、「これありますか?」

「あー、それね…あるよ」

あんのかよ!

いや、いいんですけどね。
少々拍子抜けしてしまいました。

僕が泊っていたのが台北一怪しい龍山寺エリアだったこととか、
最初にあたったのが超漢方臭いおじいちゃんがやっている店だったのもあったと思いますが。

とりあえず、無事新品をゲットすることができました。

そして帰りの税関にて
「あ、ちょっとカバン開けてもらえますか?」

ドキッ

「これは捨てるか、この場で飲んでもらえますか?」



そっちかよ。

てっきり先の薬の事かと思いきや、コンビニで売ってるのを見かけて
ネタで買っていたこっちが引っ掛かるとは。

たいしてエナジーチャージする必要なかったのですが、
もったいないのでその場で一気飲みしました。

こうして数々の困難を乗り越え手に入れた秘薬ですが、
家の薬箱にぶち込んだまま長らく放置されておりました。

年をまたぎ先日、背中が原因不明の激痛に襲われ、呼吸するのも痛い状態に。
ついにこの時が来た!とばかりに早速患部に塗ってみる事にしました。

結構スースー系の香りがするのですが、塗った感じはそうでもなく、
むしろだんだん温かくなるかんじ。
呼吸が楽になるのを感じました。

そのまま一晩寝て起きるとかなりの効果を発揮し、痛みはほとんどなくなっていました。
さすが中華四千年の歴史はダテじゃありません。

みなさんも台湾に行かれた際は、台北龍山寺付近の薬屋に行ってみて下さい。
これはかなりおススメです。

家に置いておくと家族に怪しまれるかもしれませんが、それは自己責任で。



Writer:新倉 遊
1988年生まれ。名前を読んで字の如く、
沖縄・奄美・欧州・東南アジアを遊んで周っておりました。
夢は世界一周と自分の宿を持つこと。素潜り大好き。
現在京都ユースホステル協会職員。

カテゴリー: ニュースリリース, 旅(ホステリング), 記事/旅紀行   タグ:   この投稿のパーマリンク

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