「古墳」というと飛鳥や少し前に世界遺産となった百舌鳥・古市古墳群などが思い浮かび、京都のイメージは薄いかもしれません。
しかしながら実は宇多野ユースホステルを含む周辺地域は「音戸山古墳群」と呼ばれる古墳群があり、ユースホステルもその上に建っているんです。
直径10mの円墳14基と9~13mの方墳3基の合わせて17基にもなる古墳群だったようです。確かにリニューアルにむけた工事の際も埋蔵文化財の発掘調査も入っていましたし、以前に考古学者の方も前庭の膨らみを「これも古墳の跡かもしれんね。」と言われてました。
周辺には双ヶ丘古墳や広沢古墳群、山越古墳群、御堂ヶ池古墳群、嵯峨七ツ塚古墳群…そして少し南に下ると太秦にある蛇塚古墳に至ってはあの飛鳥の石舞台古墳とほぼ同じ大きさの石室が住宅街のど真ん中にどどーんと残っています。この周辺はそんな古墳集積地域であり、この地を治めていた秦一族のものなのかどうか含め遠い昔の古代ロマンを感じずにはいられません。
▲以前まち歩きツアーをした際訪れた太秦の蛇塚古墳。普段は外観が見られます。(この時は許可を得て入りました。)
蛇塚古墳から南東に約1㎞の所にある天塚古墳。こちらも住宅街と工場に囲まれて分かりにくい場所にありますが、2つある石室の内、一つは常時入れるようになっています。古墳も一周ぐるっとまわることが可能です。ここには大正時代に考古学者でもあったスェーデン皇太子が訪問したとのことでその石碑も敷地内と近くの公園にもありました。
次の京都旅には寺社だけではなく、宇多野ユースホステル周辺で平安京ができる以前のそんな古墳時代に思いを馳せてみる旅はいかがでしょうか。
参考資料としてぜひ活用ください。
京都市考古資料館
◆京都歴史散策マップ:千代の小道2
https://www.kyoto-arc.or.jp/heiansannsaku/jurakudai/img/27chiyo2.pdf
◆京都歴史散策マップ:太秦 双ヶ岡
https://www.kyoto-arc.or.jp/heiansannsaku/jurakudai/img/3uzumasa.pdf
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