【協会】旅、時々ユースホステル『ドイツ人の元ヘルパーによる自転車で日本一周というチャレンジ』



■ 旅、時々ユースホステル~旅やユースホステルに関するエッセイ~

ドイツ人の元ヘルパーによる
『自転車で日本一周というチャレンジ』



▲20キロ近くの荷物を積んだ自転車


パート1:旅に出る前


◆なんで自転車で日本一周したかったか?

大学で卒業論文以外の単位を全部取ったところで、
これから自分の人生のことを考えていた。

卒業後そのまま就職したら、なんだか物足りないというか、
むしろもったいないと思っていた。

今までずっと小さな世界の中に生きてきたことで
不満を感じるようになった。

就職するとただ違う小さな世界に移動するだけになる。
でも、私は小さな世界から出て、広い世界を見たかったんだ。

広い世界に何があるか、どんな人がいるか、
何もなさそうな場所に何があるか、全部自分の目で見たかったんだ。
もしかして他にやりたいことを見つけるかもしれない。

そうするには旅に出る以外にない。
日本が大好きだから、日本のいろんなところを見てみたい。

どんなふうに旅をするのかを考えると
ぱっと思いついたのは自転車だった。

自転車は高校まで通学で雨と雪の中で使っていた
一番好きな乗り物だった。

他の移動手段と比べると自転車はちょうどいいスピード。

荷物を積んだ自転車で旅をするだけで
体力的にも精神的にも刺激的なチャレンジなる。
そして充分冒険を味わうこともできるでしょう。

せっかく自転車で日本を周るなら、
できるだけ全部を周ってみたい。
そしたら自転車で日本一周はどうかな?

調べてみると数ヶ月で終えることができ、
自分にとって短すぎない長すぎない、ちょうどいい期間だった。
これで、自転車で日本一周をすることが決まった。

◆まずは計画と準備

長い旅をするときはある程度の計画は不可欠。
ドイツ国籍を持つと日本の観光ビザの期間は
180日間まで延長ができるから、180日以内に終わらせないといけない。

季節に合わせてどんなふうに日本を周るかいろいろ考えてみた。
特に見に行きたいところ以外は基本的に海沿い、そして半島は行かない。

予測していた合計距離は約8000km〜9000km。
一日100kmくらいがいいと自転車旅したことがある人に聞いた。
そうすると少なくとも90日はかかる。

3日間走った後に休日を入れると120日になる。
何か見たいとき、どこかでちょっと長く滞在するときのために
とりあえず150日まで伸ばした。

残ってる30日はもう少し余裕を持つために空けておいた。
時間が余ったら通ってない県に行くことにした。


▲実際走っていたルート。約8300km。

一日で100km走ったことはないから、
作った計画は現実的かどうか確かめてみた。

数回の練習で40kmから100kmまで伸ばすことができた。

もう大丈夫だろうと自信がついたが、
旅に出るまで一度だけ荷物を積んだままで乗ってみたら、全然違った。

重い。なんか運転しにくい。坂道が辛い。
旅が始まると同時に鍛えていくしかない。

それに、適切な装備を細かく見てから選んでた。
自転車用のバッグ、テント、寝袋、修理道具、等々。
自転車は自転車屋さんにすすめられたジャイアントのクロスバイク。

他に、自転車修理についてを何も知らなかった私は
自転車修理ワークショップを参加することにした。

チューブ修理とブレーキシュー交換ぐらいはできるようになった。

◆「女の子一人で?本当に大丈夫なの?」

「大学終わったら何をする?」と聞かれたら、
「自転車で日本一周する」と答えると周りの反応は様々。

応援してくれる人もいたが、心配の声のほうが多かった。
「女の子一人で?本当に大丈夫なの?」
「危ないから本当に気をつけて!」
「変な人について行かないでね!」
冗談を言ってるでしょうという顔をされたこともある。

確かに私は小型アジア系の女の子にしか見えないから、
みんなはそう思って心配してくれる理由の一つだろう。

でも私は旅に出るまで、あまり不安はなかった、
むしろ自分の夢だからやる気が満々だった。

(つづく)


Writer: Wanying Tu
高校と大学の間に、1年間ワーキングホリデーで日本に。
その際に宇多野ユースホステルでヘルパーをしました。
ドイツ生まれ、ドイツ育ち、中国系のドイツ人です。
なぜか母国語であるはずの広東語より日本語のほうがぺらぺら。
「えっ!日本人だと思った!」というリアクションを旅で毎日のように経験しました。



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