■ 旅、時々ユースホステル~旅やユースホステルに関するエッセイ~
『中東を旅して思ったこと』
僕が中東の地を訪れるのは2回目。前回はトルコ、
そして今回はヨルダンとイスラエルが旅の目的地。
みなさんはこれらの国の名前を聞いて、何をイメージされますか?
僕自身行く前にこれらの国に抱くイメージは
そんなにいいものではありませんでした。
人種や宗教上の問題を抱えていて、行きづらい国なんだと思っていました。
確かにこういった問題ももちろんあります。
特にイスラエルは、どんな国なのか。ユダヤ人に対する差別はあるのか。
ヨルダンから陸路でイスラエルに入る際に無事に国境を越えられるのかさえ
分かりませんでした。
そんな勝手な想像は杞憂に終わり無事に国境を
越えた先にあったのは、活気のある商店街。綺麗な街並み。
前記のように少なからずマイナスなイメージを
持っていた自分にとっては驚きでした。
そしてイェルサレムの旧市街には、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の
それぞれの重要な巡礼地があります。
わずか1㎢の壁の中。
その限られた塀の中で、キリストが十字架を背負わされて
歩いた場所を、実際に十字架を担いで歩く人。
嘆きの壁の前で祈りを捧げるユダヤ人。
岩のドームでは、アザーンの音とともに祈りを捧げるイスラム教の人。
それぞれの信仰するものが違う人たちがそこで生活をしていました。
勝手に相入れないものと思っていた
別々の宗教の人たちがそこにはいました。
衝撃的でした。
これらの光景を目の当たりにし、この国のこと、
宗教のことをもっと知りたいと思うようになり
カフェにこもって、Wikipediaと睨めっこしました(笑)。
宗教の勉強をしようなんて、高校時代の世界史以来です…
少し本読んだり勉強しただけで宗教やその国のことが
100%分かるとは毛頭思っていません。
でも少なくとも、今回の旅が僕に「宗教のことを知りたい」
と思わせるキッカケになりました。
僕には、今までに勝手なイメージだけで
避けてきたことが山ほどあります。
でもそれってほんまにもったいないことやなと改めて実感しました。
何がきっかけで何に興味を持つようになるなんて本当にわからなし、
こうやってちょっといつもと違った世界を見ることで
自分のやりたいことやったり、気になることが見つかったりする。
こういうことの積み重ねが、これからの自分に
活かされていったりするのかなあと。
違う世界見るっていうのは、海外へ行くことかもしれないし、
いつもと違う道で家に帰ることかもしれないし、
久々に会う友人の近況を聞くことかもしれない。
どのタイミングで、いい意味での「衝撃」に出会えるかはわかりません。
日本帰っても、常にアンテナ張りそういう衝撃や出会いに
敏感でいたいと思っています。
Writer:興井健(きょういけん)
1990年生まれ。関西外国語大学在籍中に留学、
そして留年を経て昨年9月に卒業。旅daysやTABIPPOなど
旅イベントのスタッフとして関わる。
2014年4月から始まる社会人一年目を目の前に、
期待と不安でドキドキしています。