【協会】オーストラリア旅日記 vol.2


■ 旅、時々ユースホステル~旅やユースホステルに関するエッセイ~

『オーストラリアの常識?』



海外にいると、改めて日本の
「当たり前」の便利さ素晴らしさを感じる。

たとえば、電車。

日本じゃ、遅れるなんて有りえない。
1分でも到着が遅れたらすぐさま
お詫びと遅延の原因のアナウンスが入る。

オーストラリア(に限っての事ではないが)では、
遅れるのは日常茶飯事。
5分の遅れは、遅れに入らない。
もちろんお詫びの言葉もない。

ある日、いつものようにトラム(路面電車)に
乗っていた時、突然トラムがとまった。

するとアナウンスが入った。
「目の前に木が倒れているので
これ以上前に進めません。
ここから先は、歩いてください」


「はははーマジかよ」
車内は、笑いが起きた。
さすがオージー、こんな時でも陽気だ。
予期せぬ非日常の出来事を楽しんでいるようにも思えた。
誰一人文句を言わずトラムを降りて歩き始めた。

日本じゃこんなこと考えられない。
もし同じことが日本で起こったらどうだろう。
間違っても「お客様」を電車から降ろして
線路の上を歩かせることはないだろう。
でも、ここはオーストラリア。
日本の当たり前は通用しない。
とは言いつつここでしかない体験を楽しんでいた。

電車に乗っていた人と、「大変だねー」と
お互いブツクサいいながら線路を歩いた思い出は
今でも良き思い出である。



Writer:石井美紀(Ishii Miki)
1986年生まれ。大学卒業後、ATJ(Assistant Teacher of Japanese)プログラムに参加。
メルボルンの高校で1年間日本語教師アシスタントを経験後、ワーキングホリデーで滞在を1年延長する。滞在中に、たくさんの人の温かさや大自然の壮大さに魅了され、すっかりオーストラリアの虜になる。トマトソース(ケチャップじゃない)をたっぷりかけたアツアツのミートパイが思い出の味。現在京都ユースホステル協会職員。

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