■ 旅、時々ユースホステル~旅やユースホステルに関するエッセイ~
『インターナショナル・ピロウファイト』
旅の途中でイベントに出会すと、ちょっと得した気分になります。
別に大掛かりなでなくても、誰かの結婚式とか町の寄り合いとか。
ちょっと人が集まっていて楽しそうにしていると、
ちょっと顔を出したくなるものです。
そういう事に巻き込まれることが、旅のおもしろさの一つかも知れません。
オランダのアムステルダムに滞在している時も、
面白いイベントに遭遇しました。
街をうろうろしていると、街の中心部にある広場で何やら騒ぎが起きていました。
広場の中心で人がもみくちゃになりながら、白いものを投げ合っております。
人混みの上にはもうもうと綿埃が舞い上がっている、まさに異常な光景。
近くにいる人に「あれ、何してるの?」と聞いてみると、
「インターナショナル・ピロウファイトよ!」との答え。
国際まくら投げ大会!
修学旅行でお馴染みのアレを、街の中心部で盛大に行っちゃってるのです。
なんというおバカなイベントなのでしょうか…。
むせるほどの綿埃の中、割と本気でまくらを振り回す若者たち。
青春の爽やかさなどまるでなく、むしろ不気味。
狂気と言っても過言ではありません。
しかし、ここで引いては日本男子の名が廃ります。
私とてジャパーニーズサムライの末裔、
落ちていた枕を手に、闘いの渦中に
身を投じました。
参加してみて気付いたのですが、
向こうのまくら投げは「まくらを投げる」というより、
「まくらで叩く」というスタイルが主流のようで、
欧米人の恵まれた体格から繰り出されるそれは
一瞬気が遠くなるレベルの衝撃でした。
こちらも負けじと応戦しましたが。
そんなくだらないイベントでも、入ってしまえば結構楽しいもので。
終わったあとに叩き合ってたイギリス人と意気投合して飲みに行ったりしました。
書いてて気になって調べたら、このイベント世界規模でやっているようです。
http://2013.pillowfightday.com/
今度の旅の寄り道に、まくらで叩き合う異文化交流はいかがでしょうか?
Writer:新倉 遊
1988年生まれ。名前を読んで字の如く、
沖縄・奄美・欧州・東南アジアを遊んで周っておりました。
夢は世界一周と自分の宿を持つこと。素潜り大好き。
現在京都ユースホステル協会職員。