【協会】旅、時々ユースホステル『たった一つの腕時計』



■ 旅、時々ユースホステル~旅やユースホステルに関するエッセイ~

『たった一つの腕時計』



「旅を始めるまで子供が大嫌いだった。わがままで、うるさくて、何を考えてるのかわからない。ラオスで物売りの少女達に出会った。旅中で気分がよかったのか、よほど暇だったのか、一緒に遊んでみることにした。身振り手振りで話をしているうち、どんどんと仲良くなり、それからは道端で会っても声を掛け合うようになった。満面の笑顔で言葉もロクに通じない僕にかけ寄ってきてくれる子供達。大嫌いだったはずの子供がいつの間にか大好きになっていた。自分の中の新たな一面の発見。だから旅はやめられない。
 ネパールで出会った一人の少女。ねだられてボールペンをあげると、真剣な顔で何やら腕に書き始めた。書き終えると誇らしげに左腕を突き出す少女。「腕時計!!」子供は無邪気で、明るくて、ボールペン一つでこうも人を幸せな気分にさせることができる。かばんの中に転がってたボールペンがこの世でたった一つの素敵な腕時計を生み出した瞬間。」


Writer:天岡侑己さん
撮影場所: バクタプル・ネパール 撮影日時: 2011.8/17
所属・職業: エンジニア

※この作品は2011年11月に開催した「世界をひろげるトラベルフェスタ『旅days2012』」における
旅写真コンテスト「タビガラ。」の応募作品です。

カテゴリー: ニュースリリース, 旅(ホステリング), 記事/旅紀行   タグ:   この投稿のパーマリンク

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