■ 旅、時々ユースホステル~旅やユースホステルに関するエッセイ~
大学生による海外ユースインターン帰国リポート
~オーストラリア・シドニー Railway Square YHA~中編
本エッセイは私が2019年8月下旬~9月上旬、オーストラリア・シドニーの
Railway Square YHAにて学生インターンへ参加した際のリポートです。
オーストラリアのユースホステルならではの事情、
そして2週間の滞在で垣間見た「移民の国」の日常をお伝えします。
(写真はすべて筆者撮影・修正)
第1章 インターン生の仕事から見えてきたもの
第2章 日本人スタッフとして
第3章 滞在者として
今回は第2章をお伝えします。
第2章 日本人スタッフとして
インターン期間中、Railway Square YHAのマネージャーから
「できる限り多くの経験をしてほしい」と言ってもらい、
仕事以外にも沢山の経験をしました。
そのうちのひとつが「DAILY ACTIVITIES」への参加でした。
読んで字のごとく「毎日のアクティビティ」です。
このユースホステルでは毎日何らかのアクティビティが行われていました。
黒板にびっしり書かれたイベントたち。
ゲームなどの交流イベントのほか、
日替わりで提供されるミールも載っています。
今回のインターン中の気付きのひとつに、
「ユースという場ならではの『お手頃さ』」がありました。
例えば下の写真。
これは金曜日の夜に提供される
「Burgers with Soda or Beer」。
オージービーフの分厚いパティがのった
ボリューミーなバーガーです。
これにドリンク(ビールを選べばトゥーイーズニューが!(Tooheys New))もついて、
驚くべきはその価格。
なんと6豪ドルなのです。
(日本円で約450円, 1豪ドル=約74円(2019年12月時点))
これは現地シドニーの物価から考えると結構破格です。
(世界の「ビッグマック」の価格を比較してみると
日本では390円なのに対し、オーストラリアは490円
https://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html)
ファストフード店はともかく、一般にオーストラリアでは
日本と比べて外食費が高くつくと言われています。
私が実際に足を運んだレストランだと、
ランチでもしっかり食べようものなら
一食2000円は軽く超えていた印象です。
ユースホステルを滞在先に選ぶ方は
どちらかいうと倹約に力を入れている印象なので、
そういった方々にはかなりお得な価格でのミール提供といえます。
(オーストラリアのユースでは自炊文化が根付いていますが、
費用を抑えるため毎食自炊できるかと問われるとなかなか大変ですよね)
実際このミールはとても好評で、時間になると
お腹をすかせたゲストが列を作っていました。
ミールを提供するのはフリーアコモデーションで滞在する
ワーキングホリデースタッフの皆さん。(前編参照)
こうして人件費を抑えることで、お手頃価格での
ミール提供が可能になるわけですね。
オーストラリアならではのユースの仕組みが、スタッフも含めた
すべての滞在者に何らかのメリットをもたらしています。
(必ずしも良い側面ばかり、という訳ではないでしょうが)
▲金曜夜の「Casino Night」。
ゲストならフリーで誰でも参加できる。
勝者にはなんとプライベートルーム1泊をプレゼント!
また、今回の貴重な経験のひとつに
「Australia YHA ヘッドオフィス訪問」がありました。
▲「Australia YHA」の ヘッドオフィスが入る建物
ヘッドオフィス訪問が実現した理由は、
ここで働く日本人スタッフがいたから
マネージャーに勧められ、オーストラリアの
ユースの仕組みを知るべく訪問してきました。
いろいろなお話をお伺いした結果、オーストラリアでは
「ユース」に関わる動きが活発だという印象を受けました。
詳細は割愛させていただきますが、
それまで州ごとに設立されていた組織が
ここ数年でひとつにまとめられたことや、
現在は若者に向けた情報発信を積極的に
行っていることをお伺いすることができました。
日本では若い方のユースホステルの認知度は
残念ながら高いとは言えません。
Railway Square YHAに滞在していた2週間の間に
私が見た日本人は片手で数えるほどです。
その多くは休暇を利用してやってきた大学生パッカーでしたが、
彼らがユースを選んだ理由は「宿の検索サイトの安さの項目で上位だったから」。
バックパッカーであっても、ユースという存在は
着いてから初めて知ったといいます。
彼らにとっては今やゲストハウスなどが身近な存在なのでしょう。
「ユースにはユースの魅力がある。」そういった点をどんどん発信して、
若い方を含め多くの世代の方に日本はもちろん
世界中のユース体験をしてほしい、
そう感じたヘッドオフィス訪問でした。(つづく)
大学生による海外ユースインターン帰国リポート・後編
Writer: 大谷 真由
京都の大学のユースホステルクラブに所属。現在大学3年。
「自分の知らない世界へ」をモットーに海外ひとり旅を続ける。
イスラームの歴史と文化が好き。夢はシルクロードを陸路で横断すること。
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